2009年05月07日

成長する舌 〜〜食育ばなし1

舌をよく見ると、表面は小さな凹凸でざらざらとして
います。このひとつひとつを、味蕾細胞といいます。
これは成長と共に発達する味覚の細胞です。
 味覚は大きく分けて、鹹(塩)・甘・酸・渋の四つです。
しかし、初めから4つの味を感じることができる訳ではあり
ません。生まれた時は、甘味と塩味しか認識しません。
だから赤ちゃんは、母乳の甘さをおいしいと感じ、
幼少期の子供は甘いもが好きなのです。
 そして、酸味や渋味は趣味的な味といわれます。
これらの複雑な味の良さが分かるには、味蕾細胞の発達が
必要です。主に10才を過ぎる頃から、下の奥の部分に感知する
細胞が作られるのです。
子供の頃は苦手だったはずの、しそやみょうが、酢の物などが、
急に食べられるようになった経験は、覚えがある方も多いでし
ょう。でも、趣味的な味覚は経験値で鍛えられるので、食べず
に大人になると、大人でも香味野菜をおいしいとは感じなくな
るそうです。
RIMG0689.JPG RIMG0705.JPG
           <大人用おつまみと子供用おつまみ>
 これらのことを理解すると、子供の好き嫌いも自然なこと
だと気がつきます。おいしいと感じる味覚が、塩味・甘味なので
すから、苦いピーマンやあくのあるほうれん草などは、やはり受
付ないので
す。しかし、調理することでその印象は変えられます。乳児には素
材を柔らかくして甘く味付けすることが良いと思います。しかし、
似たような味になってしまうので、できれば、幼児には素材その
ものの味を教えたいものです。
 そこで油と塩を使う調理が手軽で有効です。ほとんどの野菜は、
じっくり焼くだけで、水分がぬけて味が濃くなります。鮮度の良
い油を少しフライパンにひいて、一口大のキャベツ、かぶ、かぼ
ちゃ、長いもなど、好きな野菜をゆっくり焼きます。
ひっくり返して、汗をかくように水分がにじんできたら、
塩をするタイミングです。そうすると、塩がやさしくしみて、
塩味の野菜ではなく、野菜味になるのです。
大人には、焼き上げた後にオリーブオイルなどをかければ、
立派なオードブルになります。
 他にはもちろん、焼き芋やきぬかつぎ(里芋を蒸したもの)
のように、素材の水分だけで作る料理も、子供達には大人気
です。
        かぼちゃとししとう.jpg
 さて、独身の時に料理教室に来てくれていた方が、結婚・
転勤を経て、最近また通ってきてくれています。その方には
二年生のお子さんがいますが、食べることが好きで、とても
健康的な娘さんです。「教えていただいたように、シンプルに
食べさせていたら、好き嫌いが全くなく育ちました。どんな
野菜も小さい時から食べています。」
と、おっしゃるので、少し意地悪で
「ピーマンも食べられるの?」
と尋ねてみました。
「はい。ごま油でさっと炒めて、醤油とかつおぶしをかける
だけで、ぺろりとたべますよ。」
とおっしゃいました。
感心して、早速ピーマンの苦手な我が娘にだしたところ、
「今日のピーマンは大丈夫。」といって食べたのです。
シンプルな料理こそが、子供の喜ぶ味なのだと、再確認した
出来事でした。
posted by いとうくみ at 17:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 食育のコラム
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/28946507
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック